キャンプってサステナビリティ?自然環境を尊重した9つの小さくても出来ること

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ここ最近サステナビリティ(Sustainability)やSDGs(エスディージーズ)などの言葉が頻繁に聞かれるようになってきました。

ひょっとして「自然の中で遊ぶキャンプはサステナビリティな要素が強いのでは?」と思い、取り組めることを考えてみました。

サステナビリティ(サステナブル)とは?

サステナビリティ(Sustainability)やサステナブル(Sustainable)とは持続可能な環境、社会、経済に配慮した活動のことをいいます。

サステナブル(Sustainable)は、sustain(持続する)とable(〜できる)をミックスされた言葉。

ちなみにサステナブルとサステナビリティの違いは

サステナブル=「持続可能な」という形容詞
サステナビリティ=「持続可能性」という名詞

になります。

よくSDGsと混同されますが、サステナビリティの中でも2015年に国連主導となり採択された世界共通の17の「持続可能な開発目標」をSDGsといいます。

サステナビリティSDGsの17の目標
SDGs 17の目標

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、Sustainable Development Goals「持続可能な開発目標」の略です。

サステナビリティの33のテーマ

サステナビリティを具体的にわかりやすくするために、GRIスタンダードというサステナビリティ報告書のガイドラインが存在します。

これはオランダに本部があるGRI【Global Reporting Initiative(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)】という国際的な非営利団体が作成したもので、GRIスタンダードのガイドラインでは社会、環境、経済を3つに分類し全33の項目に分けています。

社会(19項目)
雇用
労使関係
労働安全衛生
研修および教育
多様性と機会均等
非差別
結社の自由と団体交渉
児童労働
強制労働
保安慣行
先住民の権利
人権評価
地域コミュニティ
サプライヤーの社会評価
公共政策
顧客の安全衛生
マーケティングとラベリング
顧客プライバシー
社会経済コンプライアンス
環境(8項目)
原材料
エネルギー

生物多様性
大気への排出
排水および廃棄物
環境コンプライアンス
サプライヤーの環境評価
経済(6項目)
経済的パフォーマンス
市場での存在感
間接的な経済影響
調達慣行
腐敗防止
反競争的行為

キャンプとサステナビリティ

人間はより良く生きるためにテクノロジーなどをアップデートしてきました。

しかしその代償として環境の破壊などさまざまな問題が起きています。

人間が地球上からいなくなれば環境は一瞬にして改善される。と聞いたことがあります。

それほど人間が環境に悪影響を与えているのは明白です。

しかしそうもいかないのでサステナビリティという活動により環境や社会を改善しようとしているのです。

本来人間は自然界にあるもので衣食住をまかなってきました。

モリで魚をとり焚き火で調理をする。

まさしくブッシュクラフトのようなキャンプは原点なのです。

そういった遊びが環境に悪いわけがありません。

ただ完全にブッシュクラフトのようなライフスタイルでは経済が回らないので環境へ配慮しつつ経済が回るようにバランスを取る必要があります。

そんな固いテーマですが、少しでもキャンプという遊びがサステナビリティであるためにできることを考えてみました。

過剰包装のものを買わない

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乾燥しやすい食べ物は仕方ないのですが、ひとつづつ小分けになっているものはなるべく買わないようにします。

キャンプに持っていくおやつなどは食べきれる分だけ持っていくようにしましょう。

可能であれば自分でおやつを作ってみるとサステナビリティだと言えます。

ジャガイモをスライスして揚げたてのポテトチップスを作ったりするのも楽しいはずです。

使い捨てのペーパー皿などを使わない

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シェラカップやお気に入りのウッドのお皿を使うことは、サステナビリティでもあります。

BBQ(バーベキュー)では洗い物を省くために紙皿や紙コップを使いがちですが、洗って使える器を使うことで環境に優しいと言えます。

もっともキャンプ沼にハマっている人で紙皿を使う人は少ないと思いますが、洗って繰り返し使っている行動自体がサステナビリティなのです。

近場のキャンプ場を利用する

エコカー

地元主義というのもひとつのサステナビリティです。

どうしても物流や人の移動などにはガソリンを使い排気ガスとCO2を排出します。

できるだけ地元で楽しみ不必要に車を走らせないというのも取り組みとして良いでしょう。

何回かに一度は近隣のキャンプ場に行ったり、地元の特産物を買ってみてはいかがでしょうか。

食器用洗剤は環境に優しいものを

綺麗な水

数年前までは環境に優しい食器用洗剤は泡立ちが悪く洗えた気がしなかったのですが、最近ではずいぶん改善されています。

洗剤を使わなくとも大抵の汚れはお湯を使えば洗い流せます。

サステナビリティを考えて食器用洗剤はフロッシュなどのエコな洗剤を使うようにしましょう。

使える不用品は誰かにゆずる

握手

ファミリーキャンプをしていたのに家族が飽きてきたのでソロキャンプになった。という声をよく聞きます。

このように子どもが成長したり長くキャンプを続けているとキャンプスタイルが変わってきます。

キャンプスタイルが変わると道具も買い替える必要が出てきます。

そんな時捨てたり自宅に溜め込むのではなく、メルカリやジモティーなどで誰かにゆずったり売却をおすすめします。

シェアリングエコノミーや中古品のマーケットプレイスなどは、お金のためだけでなく一種のサステナビリティな活動だと言えます。

また新しい商品はどんどん開発されてワクワクするのですが、買った後のことも考えて購入するというのも重要です。

パタゴニアは人に譲りやすいようにロゴを排除したフリースを販売したりとサステナビリティに関しては積極的に取り組んでいるようです。

長く使うことはサステナビリティであり、ロゴマークは好みが変わる可能性もあるため無い方がいい。

キャンプメーカーはロゴが大きい傾向にありますが、ロゴをなくす取り組みをしていただけると嬉しいですね。

シンプルなデザインで品質の良いものを選ぶ

technology simple

誰かにゆずるというのも良いのですが、そもそも買い換えるということは新たに買うということです。

ささいなことですがAmazonで新たに購入するとなると運送時のCO2が発生しますし、買いに行くとしても車を走らせCO2が排出されることになります。

なのでシンプルなものを買い飽きずにずっと使い続けるというのはサステナビリティなのです。

インスタ映えを意識して多くのグッズを買うよりは、本当に気に入ったものを個人で楽しむというのがエシカル消費と言えるのではないでしょうか。

ファッションは特にトレンドの移り変わりが激しいですが、できるだけシンプルで品質の良いものを選び長く使う賢い消費者になりたいものです。

シェアサービスを使う

シェア

キャンプ道具は必ずしも買い揃える必要はありません。

キャンプ場でレンタルしたりキャンプグッズのレンタルサービスを使うという選択肢もあります。

友達同士で購入しシェアするのも良いでしょう。

お金持ちでも大型のクルーザーやプライベートジェットをシェアしています。

我々ができることは所有しないという新時代のライフスタイルを取り入れていくことがサステナビリティだと言えます。

焚き火をやろう

モンベル の焚き火台

実は焚き火で暖をとったり、調理をするのはサステナビリティなのです。

「焚き火自体が二酸化炭素を排出するけど実際どうなの?」と思うかもしれませんが実は木を燃やしたCO2はまた循環するので地球全体のCO2濃度には影響を与えないようです。

逆に間伐剤などを放置して腐敗するとそれ以上のCO2が放出されるので燃やす方が良いのです。

ということで、放置されている木を拾ってポケットボーイでザクザク切ってどんどん燃やしましょう。

焚き火はサステナビリティにずいぶんと貢献するのです。

賢く兼用し物を減らす

1つのもので2役こなすものをポリバレントといいます。

そしてこのポリバレントは物を減らすことができます。

例えばシェラカップは一つで何役もこなします。

器として使うだけでなく、コーヒーを飲んだり、お湯を沸かしたり、米を炊いたり。

無駄な消費が抑えられサステナビリティな活動に貢献していると言えます。

マジックソープは体を洗うこともできるし、食器を洗うこともできます。

自宅で使っているキッチン用品をキャンプで活用するのもサステナビリティでしょう。

ぜひ自身が持っているキャンプグッズは何と何に使えるか。と想像力を働かせてみてください。

サステナビリティは個々人ができる小さなことから

徐々にアパレルブランドや大手企業が取り組み出しているサステナビリティ。

最近ではハイブランドのグッチもサステナビリティの取り組みを行っています。

サステナビリティという言葉自体は一過性のトレンドワードのように思いますが取り組みとしては今後も続くでしょう。

サステナビリティに正解は無いかもしれませんが個人が環境のことを考えて取り組むことが大切です。

キャンプという遊びにおいても小さな活動が大きく広がりサステナビリティに繋がれば良いなと思います。

自然を借りて楽しむキャンプだからこそ地球のためにできるサステナビリティを意識し楽しみたいものです。

アウトドアマガジン編集部

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