夏のキャンプは、なぜか他の季節よりも思い出に残る気がするんです。
なぜだろう?と思い返してみると、楽しさとつらさの振り幅があるからじゃないかな。
子どものころ、阿蘇山の草千里でおべんとうを食べているときに、放牧されている牛に追いかけられたことなんかは、昔の記憶がうすい僕でも鮮明に思い出すことができるもんね。
大草原で気持ちよくお弁当を食べているときに、牛においかけられるという危険なシーンというのは、まさしく振り幅のあるできごと。
なにかの本で読んだのだけれど、ぜいたくな旅よりも、お金がなくて工夫した貧乏旅行の方が思い出に残るらしい。
夏のキャンプは、もんくなしに暑い。
昼間も暑いし、夜もテント内はムシムシしていて暑い。
それでも、ギラギラとてりつける太陽はキライではないし、汗をダラダラかきながら飲むビールはどちらかというと好き。
そう、楽しさとツラさが入りまじっているのが夏のキャンプ。
熱中症でたおれてしまってはいけないので、暑さをしのぐために、遮熱性の高いスノーピークのタープを張っているけれど、それでも暑い。
そうはいっても昼間の暑さは、遊びながら楽しんでいれば、たえられる。
しかし、熱帯夜の無風な夜をすごすのは、ふだんクーラーをつけて寝ている人にとっては地獄でヤバい。
電力があるテントサイトなら、せんぷうきを持ちこんで、風を送ることもできる。
そうでない場合が、ほんとうにつらい。
いちど、暑すぎて眠れず深夜にもかかわらずテントから飛び出して、散歩をしたことがある。
そのときに、他のキャンパーはどうしているのか、気になって見て回った。
テントの外にコットをおいて寝ている人。
ハンモックでゆらゆらゆれながら、寝ている人。
テント内が見えてもおかまいなしで、フライシートをめくりあげ、ほぼインナーだけで寝ている人。
みんな、工夫しているなぁ〜と思いながらテントにもどり、インナーをめくりあげてからふたたび床についたのを覚えている。
寝ずに、ひたすら酒を飲んでいる人もいて、なぜかなっとく。
やっぱり、あこがれるのは、ハンモックにゆられながら寝るということ。
あれ、そうとうに気持ち良さそう。
ただ、気をつけないといけないのは、蚊。
しっかりと、体に虫除けスプレーをふりかけて、なおかつ蚊取り線香をハンモックの周りにいくつも置いておく必要がある。
僕のばあい、蚊が耳の周りにうろうろされると暑さどころではなくなって眠れなくなる。
ちなみに、グルグルになった蚊取り線香は、蚊取り線香豚をよういせずとも、あまっているペグを活用するといい。
夏のキャンプには、いろいろと工夫が必要なことが分かってもらえたかもしれないけれど、そもそもテントは夏用をもっていくべきなのだ。
なんだ、はやく言えよ。って言われそうだけど、たいていキャンプ初心者はオールシーズンのテントをひとつ持っているぐらいだろうからね。
冬のキャンプは雪の中でも寒さをしのげるようにストーブが設置できるテントが必要だけれど、夏にクーラーをもちこむわけにはいかないので、全面メッシュのテントというものが存在する。
いまいちばん注目しているテントが、モンベルの、レラドーム。
4面ともメッシュなので、通気性ばつぐん。
モンベルは組み立てが楽で、ソロキャンなどにも向いている。
初心者の夏用テントとしてはオススメ。
4面がメッシュでないばあい、風の通りぬけを考えて、入り口とは反対の面の2面がメッシュであること。
たまに、入り口だけしかメッシュになっていないテントもあるので要注意。
場所にこだわりがない人なら、涼しい高原のようなキャンプ場を選ぶのもかしこい選択。
いわゆる避暑地と言われる場所だね。
僕は海が好きだからあまり選ばないけれど、標高が高いキャンプ場だと気温が低く快適にすごせる。
池のそばでカヌーなんかができる、キャンプ場にも行ってみたいかな。
しっかり楽しんだあとは、ぐっすり眠る。
場所や、道具を工夫して、熱帯夜でも怖くない快適な夏のキャンプを楽しみましょう。