世界一座っていると言われる日本人。
座り続けることは健康に悪いようで、アップルウォッチには、ちょいちょい立つように促されています。
最近では、スタンドアップデスクなるものも発売され、立ったまま仕事をする人もいるようです。
それでも座るということは、私たちにとってライフスタイルの一部で、良いチェアは勉強や仕事の効率をあげたりします。
チェアは状況に応じて選ぶべきで、キャンプにおいてはリラックスや食事がメインで使用するのではないでしょうか。
キャンプ用のチェアは豊富にあって、コストや、座面の高さ、剛性、色、形など、さまざまな条件があるなかで、どれを選ぶか非常に迷います。
これまで、コールマンの大きなチェアや、パチノックス、ヘリノックス、などさまざまなチェアを試してきました。
そしてキャンプにおいて、私の中で、これが最終回答とも言えるチェアが、「カーミットチェア」です。
完璧ではないけれども、これ以上のキャンプ用チェアが今のところ見当たりません。
そんな、カーミットチェアを使ってみて、色々と気づいたことなどをレビューします。
カーミットチェアとは
Kermit Chair(カーミットチェア)は、1984年頃に誕生したアメリカのチェアブランド。
Kermit(カーミット)というBMWのオートバイライダーがツーリングキャンプをする時に、気軽に運べるチェアが欲しいということで作ったのが始まりとされています。
会社はTom Sherrill(トム シェリル)が買収し引き継がれ、今なお人気のチェアとしてハンドメイドで生産されています。
愛好家が多く、コラボ商品も数多く販売され、最近ではふるさと納税でも返礼品として扱われたりしています。
カスタムする方も多く、中には、そのまま木を削り自作する人までいたりして。
もう、木工職人になれるレベル。
それほど、カーミットチェアの造形美に魅せられた人たちが多く、「これあかんやろ」レベルの類似品も数多く販売されています。
カーミットチェアはキャンプ用チェアの世界に大きくインパクトを与えている商品だと思います。
チェア界の礎を築いたと言っても過言ではありません。
カーミットチェアの種類
カーミットチェアは4種類あって、
スタンダード、ワイド、ハイバック、ウォールナットの4つ。
(※普通のモデルをスタンダードと言っているだけで正式名称ではありません)
ウォールナットだけ素材の違いのような気もしますが。
素材は、オーク材とウォールナット材の2種類。
これは、スタンダードでブラックのカーミットチェア。
カラーの展開は、ブラック、ネイビー、グリーン、レッド、ベージュ。
一般的によく見かけるのは、スタンダードのモデルだと思います。
最近では、座面が高めのチェアも限定で発売されていました。
それでも、1番形が美しいのは、スタンダードとウォールナットのモデルだと思います。
カーミットチェアのサイズの詳細
スタンダード、ワイド、ハイバック、ウォールナットの4つのサイズの詳細です。
スタンダード
●耐荷重:350LB(158kg)
●収納サイズ:約11 x 16 x 56cm
●組立サイズ:幅約53 x 高さ約61
●座面高:約32cm
●重量:5.5lbs (2.5kg)
●素材:オーク材・アルミ・スチール・1,000デニールナイロン
ワイド
●耐荷重:350LB(158kg)
●収納サイズ:約11 x 16 x 56cm
●組立サイズ:幅約58 x 高さ約61
●座面高:約32cm
●重量:6.2lbs (2.8kg)
●素材:オーク材・アルミ・スチール・1,000デニールナイロン
ウォールナット
●耐荷重:250LB(113kg)
●収納サイズ:約11 x 16 x 56cm
●組立サイズ:幅約53 x 高さ約61
●座面高:約32cm
●重量:5.5lbs (2.5kg)
●素材:WALNUT(ウォールナット)・アルミ・スチール・1,000デニールナイロン
ハイバック
●耐荷重:350LB(158kg)
●収納サイズ:約11 x 16 x 67cm
●組立サイズ:幅約53 x 高さ約71
●座面高:約32cm
●重量:約3kg
●素材:オーク材・アルミ・スチール・1,000デニールナイロン
スタンダードとウォールナットはサイズが同じですが、耐荷重はオーク材が158kg、ウォールナットが113kgと少し異なります。
一般的な体型の人なら大丈夫そうですが、創業者のカーミット氏は残念ながら座れない可能性がありそうです。
BMWのオートバイにまたがるカーミット氏。
ハイバックは造形としてバランスが悪いように見えますが、座り心地は1番良さそうです。
ウォールナットのモデルは1番プロダクトとして魅力的です。
個人的には、自宅リビングの家具の統一感を考えて、ウォールナットのブラックが良かったのですが、売り切れ状態が続いています。
カーミットチェアはどこで買う?
少し前まで、カーミットチェアはAmazonで定価で売られていましたが、今や、なんと倍ぐらいの価格の¥53,000に。
人気がありすぎると、高騰するのがキャンプグッズの悲しいところ。
需要と供給のバランスが悪いのでしょうか。
ただ、買った値段より高くなっていると、ちょっとニヤけてしまいます。
カーミットチェアは正規店で買うのが安心ですが、(2021.06.11現在)全てSOLDOUTとなっています。
人気ありすぎですね。
私なら急がず気長に、定価で入荷されるのを待ちます。
個人輸入という手もありますが、本国の公式ページもSOLD OUT。
カーミット社は、ずいぶん機会損失してる気がします。
ニーズより少なく販売するフェラーリみたいな商法でしょうか。
それにしても、一刻も早く、カーミットチェアファンに届けて欲しいです。
カーミットチェアをどう使う?
カーミットチェアはキャンプではもちろん、自宅のソファー代わりの家具として使えます。
当然、キャンプに行くより自宅にいる方が長いから、使用頻度は自宅の方が多いです。
高価なチェアなので、使用時間を考えると自宅でも使わなきゃもったいない。
ソファーを置かず、カーミットチェアに座って読書をしたり、ゲームをしたり、くつろぎに使っています。
また、このチェアはウッドとファブリックでできているので、大抵のインテリアにマッチします。
小さな収納袋に収納が可能ですが、分解したり、組み立てたり結構面倒なので、そのまま折り畳んで運びます。
キャンプ場に着いたら、パッと広げてポンと置いて、ゴクっと飲むだけ。
ヘリノックスのように、組み立てる必要もないのですぐにくつろげます。
ただ、元々オートバイで運ぶことが想定されているので、いざとなったらコンパクトになるのも嬉しい。
バックパックでのキャンプにはちょっとかさばりますが、車でのキャンプなら折り畳んで運ぶのが便利。
ヘリノックスなど他のチェアと座り心地の比較
実際に、他のチェアと比較して、ビジュアルとフィーリング共に、これがベストだと思っています。
類似品のものは試し座りしかしてませんが、なんというか、こう、温かみのある木と、手作り感とか、形のバランスの良さとか、本物には叶わないなと思っています。
また、ヘリノックスと比べて、座面が低く足を投げ出しやすいので、オットマンがなくても、くつろぎやすい。
微妙な座面の高さの差ですが、これが大きく違うんです。
ロースタイルであれば、これほど、ベストな高さはないと思っています。
テーブルメーカーさんや、チェアを作っているメーカーさんは、カーミットチェアを基準にしてもいいぐらい、座面の高さは完璧なんじゃないでしょうか。
ヘリノックは包み込まれるような座り心地で、一方、カーミットチェアは特徴がないというか、逆に違和感がいっさい無いという感じ。
あと、座った時に、肘掛けがあるのって、意外に嬉しいです。
カスタムができる
先にも書いた座面の高さが逆に気に入らない人や、シートが気に入らない人のために、カスタムパーツが色々と販売されています。
カスタムできるのもカーミットチェアのメリットの一つです。
脚のキャップを装着する
リビングのインテリアとして使う人や、本体を汚したくない人は、脚にキャップをはめることをお勧めします。
これからカーミットチェアを買う方は、チェアと一緒に脚のゴムキャップも買ってください。
だいぶ使っているので、脚のゴムがひび割れていますが、これは必須ですね。
黒が良かったのですが、在庫切れだったため仕方なくグレーのキャップをはめています。
意外に、目立たないので良しとします。
NOVITA(ノビタ) 等で座面を高くする
座面を少し高くしたい人向けに、ノビタ等脚を延長するツールが売っています。
腰痛持ちの方などは、座り心地が変わるそうです。
マイスターシートに交換する
カーミットチェアは座面と背面部分が別々になっており、腰の部分が空いています。
夏は良いのですが、冬になると通気性がよすぎて腰が劇的に寒くなります。
そこで、座面と背面が一体化したマイスターシートに交換している人もちらほら。
ネイタルデザインの迷彩柄やブラックカモなど、張り替えると2割り増しでかっこよくなります。
こういうのは、男だけの自己満足でしょうけど。
サイドテーブルを装着する
サイドテーブルを装着すると、ビールやシェラカップなど置けて便利。
もっとも、私の場合は、地面に置く派ですが。
カップホルダーがあると便利かもしれません。
ここに注意
デメリットというか、注意点がいくつかあるので、いくつかご紹介します。
偽物に注意
ルイヴィトンやロレックスなどハイブランドには偽物が横行します。カーミットチェアもハイブランドと化しているのでしょうか、偽物が多く出回っているようです。
実際、見分け方などもあるようですが、できるだけ正規代理店から購入するようにしたほうが良いでしょう。
また、偽物ではないですが、類似品と間違わないようにしないと、激似の商品もたくさんあります。
ハイランダーのチェアなんかは、完全に意識した形をしていますしね。
もう、ほんとにそっくりです。
めちゃめちゃ似てます。
座り心地はわかりませんが、類似品といえど、まぁまぁな値段するのですよね。
塗装に注意
結構、本体そのものが雑に作られています。
特に、ニスの塗り方は、均一ではないですし、個体によっても違います。
神経質な方は、この大雑把な作りに要注意ですが、そのアメリカらしいワイルドさと手作り感を感じるのも一つの楽しみのような気がします。
ちなみに、ニスがかなり厚めに塗られていますが、アウトドアの環境で使用するため、ハードな使用にも耐えられる工夫だとか。
この艶感があまり好きでないという方は、ウォールナットのモデルを買うといいかもしれません。
ネジのゆるみに注意
カーミットチェアは使っているとネジがゆるみます。
実際に、キャンプ場でネジを無くしたという方も多いようです。
慎重な方は、緩まないようにビニールで止めたり、処理をした方が良いでしょう。
合うネジがホームセンターなどに売っているかどうかはわかりませんが、面倒なことになりそうなので、キャンプに持ち出すときにはしっかりとネジの確認するなど、メンテナンスが必要です。
高さに注意
座面が低いので、低めのテーブルと合わせる方がいいです。
意外に、今持っているテーブルと高さが合わない可能性があります。
上の写真は、モンベルのマルチ フォールディング テーブル ワイドの中段とカーミットチェアを合わせています。
思っている以上に低いかもしれません。
これも、いかにコンパクトで、丈夫でスタイリッシュに仕上げるか工夫された形だと思っています。
これで、153kg耐えられるなんて、不思議です。
収納袋に入れづらい
正直、コンパクトに畳んで収納するということはありません。
コンパクトになるのですが、組み立てが面倒なのと、収納袋が小さく入れるのにサイズ感的にキツいです。
もう少し、余裕ある袋だと良かったのですが。
テントの収納袋や、シュラフの収納袋など、メーカーによって余裕を持たせたり、キツめだったりさまざまですね。
私的には、余裕のある方が好きです。
特にナンガのオーロラライト450Dは収納するのに、一苦労です。
耐久性は?
実際に、壊れたという声はあまり聞きません。
我が家でも毎日座るほどのヘビーユーザーですが、壊れる気配はないです。
こんなに細いのによく耐えられるな、というぐらい繊細な形をしていますが、弱そうな箇所には鉄のパーツが入っていたり、剛性は考えられているようです。
よほど、横からの衝撃を与えない限りは、一生使えるんじゃないかと思っています。
カーミットチェアの組み立て方
組み立て方は、最初戸惑うかもしれませんが、慣れたら簡単です。
しかも、組み立てたらあまり分解して、収納袋に入れない可能性が大です。
パーツの種類
下記3種類のパーツが収納袋に入っています。
・収納袋
・ストレートのパーツ×2
・カーブのパーツ×2
・チェア本体
ほんと、こんなにシンプルなパーツだけで組み上がるのが不思議です。
ストレートのパーツを差し込む
脚の前後の支えるストレートのパーツを2つとも差し込みます。
グッと差し込むとニスがはがれるんじゃないかと、ちゅうちょしますが、思い切って差し込みます。
金具を引っ掛ける
意外に、この金具が最初は固くてはめにくかったです。
この金具を脚の4つとも全て引っ掛けます。
無理矢理力を入れて、折れても嫌なので慎重になってしまいます。
カーブのパーツを差し込む
カーブのパーツもコツが必要で、金具を上にスライドさせて差し込みます。
カーブのパーツは背面の上の部分と、座面の太ももあたりのパーツです。
折り畳んだ時に、持つ部分ですね。
緩やかなカーブが首の後ろや太ももに当たることなく、絶妙なんだと思います。
カーブのラインはずいぶん検討したんだろうなぁ。
ここが当たって痛いチェアが意外と多いんですよね。
結果、カーミットチェアの満足度は
今では、キャンプよりも、自宅のリビングで使う方が多いですが、もっともっと海や山に持ち出したいです。
魅力あるプロダクトで、満足度95%でかなり高いです。
後の5%はというと、そもそもヨーロッパ家具が好きな自分にとっては、アメリカ寄りのデザインなので、若干無骨さを感じるかなと。
それでも、いろんな家具やキャンプ道具にマッチする最高のチェアです。
さて、次はこのカーミットチェアを持ってどこのキャンプ場に行こうかな。